痔と間違えやすい病気

おしりの周辺には、痔と似た症状の病気があります。誤った自己判断をしないためにも、痔と間違えやすい病気の特徴を知っておきましょう。

直腸脱

排便で、いきんだときなど腹圧が直腸にかかったときに直腸が肛門から脱出しまう病気です。直腸の粘膜だけが脱出する 「不完 全直腸脱」と直腸の壁全体が脱出する「完全直腸脱」 があります。痔核の脱出である脱肛と混同されがちですが、痔核と違い、静脈叢が膨らんでいないのが特徴です。高齢者や出産経験者に多く見られます。

直腸癌

肛門管や肛門周囲の皮膚に発生する癌で、持続する痛みや違和感、腫れ、出血などの症状が現れます。

肛門癌

出血を伴う症状の場合、直腸がんも無視ができません。八王子クリニックでも、痔と思い受診され、術前検査の結果直腸がんであった症例が年間数例あります。肛門科に受診の際は、大腸内視鏡検査など、手術前に検査を受けるようにしましょう。

肛門ヘルペス

主に性交渉で単純ヘルペスウイルスに感染して起こり、肛門周辺にピリピリとした痛みを伴う水疱や潰瘍ができる病気です。

肛門部帯状疱疹

肛門の帯状疱疹は、片側の肛門周囲に強い痛みや、ピリピリするような感覚、赤い発疹や水ぶくれを伴う感染症です。体力が低下したときに体内に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化することで発症し、放置すると神経痛が長引く後遺症が残ることもあるため、抗ヘルペスウイルス薬による早期治療が不可欠です。

肛門部コンジローマ

肛門部コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6型・11型の感染によって肛門周囲に生じる尖形コンジローマの一種です。肛門上皮へのウイルス侵入を契機に、乳頭状の隆起性病変が多発性に増殖します。初期は小型で自覚症状に乏しいものの、進行するとカリフラワー状に癒合・拡大し、かゆみ、湿潤、出血、排便時の違和感を伴うことがあります。

膿皮症

肛門周囲の皮膚の下の汗腺が感染して炎症を起こし、膿(うみ)が溜まる病気です。症状には熱感、痛み、かゆみ、皮膚の肥厚や変色、膿の排出などがあり、進行すると皮膚に穴が開き、しばしば痔瘻(じろう)と間違われます

肛門掻痒症

肛門掻痒症(そうようしょう)は肛門とその周辺が痒くなる病気です。原因には、痔の疾患があり、分泌物で肛門の周囲が刺激されたり肛門の周囲が凸凹しているために排便後にきれいにできず皮膚炎や湿疹の原因となり、かゆみが現れます。 そのほかに、糖尿病、黄疸、ホルモンの低下などでかゆみが現れることがあります。それぞれの原因にあわせた対処が必要です。

肛門部粉瘤

肛門周囲の皮下にできる良性の良性腫瘍で、古い角質や皮脂が袋状に溜まったものです。炎症を起こして赤く腫れ、痛みや膿を伴うことがあり、痔瘻と間違えられることもあります。