痔核(いぼ痔)の手術療法には「痔核硬化(破壊)療法」と「痔核切除手術」の2つがあります。
硬化(破壊)療法
硬化療法とは、痔核そのものに直接作用して縮小・消失させる治療です。
昔は、痔核に毒物を塗って腐らせる「腐食療法」や、痔核を焼いて壊す「焼灼療法」が行われていましたが、これらは刺激が強く、現在ではほとんど使われなくなりました。
現在主流となっているのは、薬剤を痔核に直接注射して硬化・縮小させる方法です。薬が粘膜の下にある痔核組織に作用し、痔核を内側から固めて小さくします。
この硬化療法は長年の改良を経て進化し、**現在の標準治療は「ジオン注射(ALTA療法)」**です。
痔核切除手術
現在の標準手術は痔核へ流入する血管を結紮(縛り止める)し、痔核を切除する結紮切除術(半閉鎖法)です。切除創の粘膜側を半分縫合閉鎖する方法です。長年にわたり標準的な手術法として行われています。
ハイブリッド手術(硬化療法・手術併用療法)
ハイブリッド手術とは、痔核切除手術と硬化療法(ジオン注射)を組み合わせて行う治療法です。それぞれの長所を活かしながら体への負担を抑え、より高い治療効果を目指す方法として注目されています。
治療の考え方
- 脱出する痔核(外に出てくるタイプ)には切除手術を行う
- 一方、直腸下部など術後出血が起こりやすい部位の痔核にはジオン注射を行う
- 切除範囲が小さくなり、手術侵襲が少なくなる。また痛みも軽減される
このように、痔核の部位や性質に合わせて最適な処置を組み合わせることで、根治性(再発しにくさ)と低侵襲性(体への負担の少なさ)を両立させるのがハイブリッド手術です。
今後期待される治療法
近年は日帰り手術が普及し、それに合わせて様々な低侵襲術式が発展しています。
その中のひとつとして、日帰り手術に特化したクランプトレーザー法などは注目されています。(2023年11月、大腸肛門病学会発表)
これらの流れから、ハイブリッド手術は今後、手術治療の中心的な選択肢となっていくことが予想されています。
総括
痔核の手術治療は
1. 硬化療法(標準:ジオン注射)
2. 手術(標準:結紮切除半閉鎖法)
3. 硬化療法+手術併用(ハイブリット手術)
の3つに大きく分かれます。
症状に合わせ適宜施行されます。

